神戸市内の食肉卸会社から焼き肉店チェーンが昨冬から今年初めにかけて「和牛」として仕入れた牛肉の中に、一般的に安価とされる交雑種の牛(交雑牛)の肉が含まれていたことが、両社への取材でわかった。焼き肉店では客の申し出があれば食事代の一部を返金するという。食肉卸会社は取材に対し、「会社としての管理体制に甘さがあったが、故意ではない」と説明している。
食肉卸会社は神戸市東灘区の「神戸サカヱ屋」で、兵庫県内で7店舗を展開する「焼肉(やきにく)六甲」に肉を卸していた。焼肉六甲によると、神戸サカヱ屋からの「和牛」の仕入れは2016年4月から続いていたが、昨年11月以前から、1頭から取れる「ブリスケ(肩肉)」の平均的な量を大幅に上回る量の牛肉に同じ識別番号がついていたことがわかったという。
朝日新聞が、焼肉六甲が肉を仕入れた際の取引伝票に記された個体識別番号を検索サービスで1件ずつ調べたところ、神戸サカヱ屋から和牛の「ブリスケ」として昨年11月~今年2月中旬に仕入れた牛肉計約590キロのうち、約6割にあたる約340キロが「交雑牛」と表示された。
焼肉六甲は、相当量の交雑牛が混入していたと判断し、神戸サカヱ屋との取引を打ち切り、16年4月~今年3月に「特選和牛プラン」を注文した客から申し出があった場合、レシートを提示すれば一部返金に応じることを23日にホームページに掲載した。
焼肉六甲の運営会社の灘本明雄社長は取材に対し、「取引停止直前の3月ごろ、神戸サカヱ屋側から『和牛と明示して客に出したことにはしないでほしい』と要請された」といい、「結果的にお客さまへ誤った商品を提供してしまった恐れがある」と話した。
■国や市も問題…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル